この後、かなめが一年ぶりに自分のマンションへ戻ったり、その日学校へ行ったら、
まさに卒業式で恭子やクラスメイトに囲まれて泣き通したり、
そこに死んだと思ってた宗介がスーパーカブに乗って滑り込んできたりといろいろあったんですが、
何もいわず、とりあえずこの一枚で。
椿くんが初長編出演してます!!
互いの唇が離れ、おでこがこつんと当たってつぶやく。
「・・・放さないでね?」
「ああ」
「ずっと・・・そばにいて」
「もちろんだ」
宗介はいつものむっつり顔で、自信たっぷりにうなずいた。
「君さえいれば、武器などいらない」
[完]
今集內容
かなめの出した力強い答え。その思いに応えるかのように、
宗介たちは自分達の力で危機を乗り越えていく。世界を変容する必要はない。
みんな全力で生きているから。この辺の展開は本当に感動ものですね。そしてあの人の登場!!
いやぁ~、驚きましたよ。生きてたのかぁぁぁぁぁっ!!マオの危機を救ったのはなんとクルツ!
『せまる~』で虚無の闇へと落ちていった・・・・って書いてあったから、
もうこれはダメだと思っていたのに。よく生きてましたねぇ~。彼はしぶとかった!!
マオとの感動の再会・・・・にはならなかったですね。「台無し」って、
そりゃあないよ、姐さん!!ま、あの時はまだ戦闘中だったしね。
その後に感動の再会はちゃんとあったものだと思います(笑)。
ヘッドセットに内蔵された無線機をつなぐ。オープン回線で待機状態に。
『どうよ、このタイミング?』
得意げな男の声。もう二度と聞けないと思っていた彼の声。
『ぎりぎり間に合ったぜ。惚れ直しただろ、姐さん?』
期待通りに、ソ連のカスタム狙撃機で。
泣けるなぁ、クルツよ~。
『・・・最悪』
無線越しに、マオが不機嫌な声で言った。
「へ?」
『男らしくソーゼツに死んだんでしょ?なにおめおめ顔出してるの?レイスの話ってこれだったのね。なるほど。
なんかもう、台無し・・・』
「だ、台無し?そりゃねえだろ、俺は―――」(以下、マオにより却下)
宗介とカリーニンの最後の戦い。少佐の意図はやっぱりそうだったんですね。
宗介を帰したかった。彼の本来生きる場所に。自分も帰りたかった。妻と子供のところに。
結局、この人はずっと後悔して生きてきたんだろうなぁ~。
宗介から親父と呼ばれて、わずかに微笑んだ少佐。
最後の言葉は日本語で「イキナサイ」。それは宗介の母親があの時告げた言葉と同じ。
あえて最後にそう言った少佐に涙。この辺ホント泣けました。血の繋がりはなくとも、
この2人はやはり「親子」だったんだろうと思います。
「イキナサイ」その言葉に導かれるように走り出した宗介がたどりついたのはアルのもと。
既にコックピットは壊れていたが、コアユニットはどうにか無事だった。
ふと、未良からもらったメモリーチップのことを思い出し、それを再生する宗介。
彼女がネットで見つけたという動画ファイルは、陣代高校の生徒達がかなめや宗介に
当てたメッセージだった。彼らは待っている。かなめと宗介が帰ってくることを。
動画ファイルを見て、「死にたくない」と涙する宗介。彼が泣くのって初めてじゃないですか?
こっちも思わずもらい泣き。
迫り来る核弾頭。タイムリミットはもう一分もない。宗介に逃げ場はない。
その時アルが、自分が機械か人間かと尋ねてくる。
宗介は自分で決めることだと言う。人間はみんなそうしていると・・・・・
これって、アルを人間として認めているってことですよね?宗介に感謝しますと言い、
アルは《一人でやってみます》と告げる。そして、人間を媒介としてのみ顕れるあの力が発生した。
いやぁ~、アルはもう人間ですね。機械からヒトになったと思います。宗介を護ってくれてありがとう!!
エピローグ。陣代高校の卒業式。現れたかなめに駆け寄るクラスメート。
遅れて宗介もやって来た。ハッピーエンドでしたね。色々あったけど、
学校のみんながちゃんと受け入れてくれたのが良かったです。かなめ達の帰る場所が
ちゃんと残っていて本当に良かったなぁ~。
「君さえいれば、武器などいらない」宗介の最後の言葉に、ああ、
これでやっと彼も戦いの日々から解放されたんだなぁ~と思いました。おめでとうと言っていいよね?